【7-5】賃料を賃料を求める鑑定評価の手法、新規賃料を求める手法

鑑定基準第7章

本文

第2節 賃料を求める鑑定評価の手法

不動産の賃料を求める鑑定評価の手法は、新規賃料にあっては積算法、賃貸事例比較法、収益分析法等があり、継続賃料にあっては差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法等がある。

Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項

賃料の鑑定評価は、対象不動産について、賃料の算定の期間に対応して、実質賃料を求めることを原則とし、賃料の算定の期間及び支払いの時期に係る条件並びに権利金、敷金、保証金等の一時金の授受に関する条件が付されて支払賃料を求めることを依頼された場合には、実質賃料とともに、その一部である支払賃料を求めることができるものとする。

1.実質賃料と支払賃料

実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。

支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。

なお、慣行上、建物及びその敷地の一部の賃貸借に当たって、水道光熱費、清掃・衛生費、冷暖房費等がいわゆる付加使用料、共益費等の名目で支払われる場合もあるが、これらのうちには実質的に賃料に相当する部分が含まれている場合があることに留意する必要がある。

2.支払賃料の求め方

契約に当たって一時金が授受される場合における支払賃料は、実質賃料から、当該一時金について賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額並びに預り金的性格を有する一時金の運用益を控除して求めるものとする。

なお、賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額については、対象不動産の賃貸借等の持続する期間の効用の変化等に着目し、実態に応じて適切に求めるものとする。

運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格、賃貸借等の契約内容並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利、国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。

3.賃料の算定の期間

鑑定評価によって求める賃料の算定の期間は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とするものとする。

4.継続賃料を求める場合

継続賃料の鑑定評価額は、現行賃料を前提として、契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点(以下「直近合意時点」という。)以降において、公租公課、土地及び建物価格、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等における賃料又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃料の変動等のほか、賃貸借等の契約の経緯、賃料改定の経緯及び契約内容を総合的に勘案し、契約当事者間の公平に留意の上決定するものである。

Ⅱ 新規賃料を求める鑑定評価の手法

1.積算法

(1)意義

積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を積算賃料という。)。

積算法は、対象不動産の基礎価格、期待利回り及び必要諸経費等の把握を的確に行い得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 基礎価格

基礎価格とは、積算賃料を求めるための基礎となる価格をいい、原価法及び取引事例比較法により求めるものとする。

② 期待利回り

期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合をいう。

期待利回りを求める方法については、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意すべきである。

③ 必要諸経費等

不動産の賃貸借等に当たってその賃料に含まれる必要諸経費等としては、次のものがあげられる。

ア 減価償却費(償却前の純収益に対応する期待利回りを用いる場合には、計上しない。)

イ 維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)

ウ 公租公課(固定資産税、都市計画税等)

エ 損害保険料(火災、機械、ボイラー等の各種保険)

オ 貸倒れ準備費

カ 空室等による損失相当額

2.賃貸事例比較法

(1)意義

賃貸事例比較法は、まず多数の新規の賃貸借等の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る実際実質賃料(実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価をいう。)に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、これによって対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を比準賃料という。)。

賃貸事例比較法は、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の賃貸借等が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃貸借等が行われている場合に有効である。

(2)適用方法

① 事例の収集及び選択

賃貸借等の事例の収集及び選択については、取引事例比較法における事例の収集及び選択に準ずるものとする。この場合において、賃貸借等の契約の内容について類似性を有するものを選択すべきことに留意しなければならない。

② 事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較

事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較については、取引事例比較法の場合に準ずるものとする。

3.収益分析法

(1)意義

収益分析法は、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(減価償却後のものとし、これを収益純賃料という。)を求め、これに必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を収益賃料という。)。

収益分析法は、企業の用に供されている不動産に帰属する純収益を適切に求め得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 収益純賃料の算定

収益純賃料の算定については、収益還元法における純収益の算定に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意しなければならない。

② 収益賃料を求める手法

収益賃料は、収益純賃料の額に賃貸借等に当たって賃料に含まれる必要諸経費等を加算することによって求めるものとする。

なお、一般企業経営に基づく総収益を分析して収益純賃料及び必要諸経費等を含む賃料相当額を収益賃料として直接求めることができる場合もある。

ステップ0

第2節 賃料を求める鑑定評価の手法

不動産の賃料を求める鑑定評価の手法には、新規賃料に対しては積算法賃貸事例比較法収益分析法があり、継続賃料に対しては差額配分法利回り法スライド法賃貸事例比較法がある。

Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項

実質賃料は、賃貸人に支払われる賃料の算定期間に対応するすべての経済的対価であり、純賃料必要諸経費等から構成される。

支払賃料は、実際の支払時期における賃料であり、一時金の運用益償却額を考慮して実質賃料から控除して求める。

賃料の算定期間は、宅地・建物等では1月単位、その他土地では1年単位が原則である。

継続賃料の鑑定評価では、直近合意時点以降の諸要因を考慮し、契約当事者間の公平性を重視して決定される。

Ⅱ 新規賃料を求める鑑定評価の手法
1. 積算法

積算法は、基礎価格期待利回りを乗じた金額に、必要諸経費を加えて試算賃料を求める。基礎価格は、原価法及び取引事例比較法により求める。

必要諸経費には、減価償却費維持管理費公租公課損害保険料貸倒れ準備費空室損失相当額などが含まれる。

2. 賃貸事例比較法

賃貸事例比較法は、多数の新規の賃貸借事例の中から類似のものを選び、事情補正時点修正地域要因個別的要因の比較を行って比準賃料を求める。

3. 収益分析法

収益分析法は、企業経営に基づく総収益を分析して収益純賃料を算出し、必要諸経費を加算して収益賃料を求めるものである。企業用途の不動産に特に有効である。

ステップ1

第2節 賃料を求める鑑定評価の手法

不動産の賃料を求める鑑定評価の手法は、新規賃料にあっては積算法、賃貸事例比較法、収益分析法等があり、継続賃料にあっては差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法等がある。

Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項

賃料の鑑定評価は、対象不動産について、賃料の算定の期間に対応して、実質賃料を求めることを原則とし、賃料の算定の期間及び支払いの時期に係る条件並びに権利金、敷金、保証金等の一時金の授受に関する条件が付されて支払賃料を求めることを依頼された場合には、実質賃料とともに、その一部である支払賃料を求めることができるものとする。

1.実質賃料と支払賃料

実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。

支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。

なお、慣行上、建物及びその敷地の一部の賃貸借に当たって、水道光熱費清掃・衛生費冷暖房費等がいわゆる付加使用料共益費等の名目で支払われる場合もあるが、これらのうちには実質的に賃料に相当する部分が含まれている場合があることに留意する必要がある。

2.支払賃料の求め方

契約に当たって一時金が授受される場合における支払賃料は、実質賃料から、当該一時金について賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額並びに預り金的性格を有する一時金の運用益を控除して求めるものとする。

なお、賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額については、対象不動産の賃貸借等の持続する期間効用の変化等に着目し、実態に応じて適切に求めるものとする。

運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格賃貸借等の契約内容並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。

3.賃料の算定の期間

鑑定評価によって求める賃料の算定の期間は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とするものとする。

4.継続賃料を求める場合

継続賃料の鑑定評価額は、現行賃料を前提として、契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点(以下「直近合意時点」という。)以降において、公租公課土地及び建物価格近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等における賃料又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃料の変動等のほか、賃貸借等の契約の経緯賃料改定の経緯及び契約内容を総合的に勘案し、契約当事者間の公平に留意の上決定するものである。

Ⅱ 新規賃料を求める鑑定評価の手法

1.積算法

(1)意義

積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を積算賃料という。)。

積算法は、対象不動産の基礎価格、期待利回り及び必要諸経費等の把握を的確に行い得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 基礎価格

基礎価格とは、積算賃料を求めるための基礎となる価格をいい、原価法及び取引事例比較法により求めるものとする。

② 期待利回り

期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合をいう。

期待利回りを求める方法については、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意すべきである。

③ 必要諸経費等

不動産の賃貸借等に当たってその賃料に含まれる必要諸経費等としては、次のものがあげられる。

減価償却費(償却前の純収益に対応する期待利回りを用いる場合には、計上しない。)

維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)

公租公課(固定資産税、都市計画税等)

損害保険料(火災、機械、ボイラー等の各種保険)

貸倒れ準備費

空室等による損失相当額

2.賃貸事例比較法

(1)意義

賃貸事例比較法は、まず多数の新規の賃貸借等の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る実際実質賃料(実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価をいう。)に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、これによって対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を比準賃料という。)。

賃貸事例比較法は、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の賃貸借等が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃貸借等が行われている場合に有効である。

(2)適用方法

① 事例の収集及び選択

賃貸借等の事例の収集及び選択については、取引事例比較法における事例の収集及び選択に準ずるものとする。この場合において、賃貸借等の契約の内容について類似性を有するものを選択すべきことに留意しなければならない。

② 事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較

事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較については、取引事例比較法の場合に準ずるものとする。

3.収益分析法

(1)意義

収益分析法は、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(減価償却後のものとし、これを収益純賃料という。)を求め、これに必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を収益賃料という。)。

収益分析法は、企業の用に供されている不動産に帰属する純収益を適切に求め得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 収益純賃料の算定

収益純賃料の算定については、収益還元法における純収益の算定に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意しなければならない。

② 収益賃料を求める手法

収益賃料は、収益純賃料の額に賃貸借等に当たって賃料に含まれる必要諸経費等を加算することによって求めるものとする。

なお、一般企業経営に基づく総収益を分析して収益純賃料及び必要諸経費等を含む賃料相当額を収益賃料として直接求めることができる場合もある。

ステップ2

第2節 賃料を求める鑑定評価の手法

不動産の賃料を求める鑑定評価の手法は、新規賃料にあっては積算法、賃貸事例比較法、収益分析法等があり、継続賃料にあっては差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法等がある。

Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項

賃料の鑑定評価は、対象不動産について、賃料の算定の期間に対応して実質賃料を求めることを原則とし、賃料の算定の期間及び支払いの時期に係る条件並びに権利金、敷金、保証金等の一時金の授受に関する条件が付されて支払賃料を求めることを依頼された場合には、実質賃料とともに、その一部である支払賃料を求めることができるものとする。

1.実質賃料と支払賃料

実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。

支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。

なお、慣行上、建物及びその敷地の一部の賃貸借に当たって、水道光熱費清掃・衛生費冷暖房費等がいわゆる付加使用料共益費等の名目で支払われる場合もあるが、これらのうちには実質的に賃料に相当する部分が含まれている場合があることに留意する必要がある。

2.支払賃料の求め方

契約に当たって一時金が授受される場合における支払賃料は、実質賃料から、当該一時金について賃料前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額並びに預り金的性格を有する一時金の運用益を控除して求めるものとする。

なお、賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額については、対象不動産の賃貸借等の持続する期間効用の変化等に着目し、実態に応じて適切に求めるものとする。

運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格賃貸借等の契約内容並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。

3.賃料の算定の期間

鑑定評価によって求める賃料の算定の期間は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とするものとする。

4.継続賃料を求める場合

継続賃料の鑑定評価額は、現行賃料を前提として、契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点(以下「直近合意時点」という。)以降において、公租公課土地及び建物価格近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等における賃料又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃料の変動等のほか、賃貸借等の契約の経緯賃料改定の経緯及び契約内容を総合的に勘案し、契約当事者間の公平に留意の上決定するものである。

Ⅱ 新規賃料を求める鑑定評価の手法

1.積算法

(1)意義

積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を積算賃料という。)。

積算法は、対象不動産の基礎価格期待利回り及び必要諸経費等の把握を的確に行い得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 基礎価格

基礎価格とは、積算賃料を求めるための基礎となる価格をいい、原価法及び取引事例比較法により求めるものとする。

② 期待利回り

期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合をいう。

期待利回りを求める方法については、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意すべきである。

③ 必要諸経費等

不動産の賃貸借等に当たってその賃料に含まれる必要諸経費等としては、次のものがあげられる。

減価償却費(償却前の純収益に対応する期待利回りを用いる場合には、計上しない。)

維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)

公租公課(固定資産税、都市計画税等)

損害保険料(火災、機械、ボイラー等の各種保険)

貸倒れ準備費

空室等による損失相当額

2.賃貸事例比較法

(1)意義

賃貸事例比較法は、まず多数の新規の賃貸借等の事例収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る実際実質賃料実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価をいう。)に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、これによって対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を比準賃料という。)。

賃貸事例比較法は、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の賃貸借等が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の賃貸借等が行われている場合に有効である。

(2)適用方法

① 事例の収集及び選択

賃貸借等の事例の収集及び選択については、取引事例比較法における事例の収集及び選択に準ずるものとする。この場合において、賃貸借等の契約の内容について類似性を有するものを選択すべきことに留意しなければならない。

② 事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較

事情補正及び時点修正並びに地域要因の比較及び個別的要因の比較については、取引事例比較法の場合に準ずるものとする。

3.収益分析法

(1)意義

収益分析法は、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(減価償却後のものとし、これを収益純賃料という。)を求め、これに必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を収益賃料という。)。

収益分析法は、企業の用に供されている不動産に帰属する純収益を適切に求め得る場合に有効である。

(2)適用方法

① 収益純賃料の算定

収益純賃料の算定については、収益還元法における純収益の算定に準ずるものとする。この場合において、賃料の有する特性に留意しなければならない。

② 収益賃料を求める手法

収益賃料は、収益純賃料の額に賃貸借等に当たって賃料に含まれる必要諸経費等を加算することによって求めるものとする。

なお、一般企業経営に基づく総収益を分析して収益純賃料及び必要諸経費等を含む賃料相当額収益賃料として直接求めることができる場合もある。

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