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第３節 個別的要因
個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。個別的要因は、土地、建物等の区分に応じて次のように分けられる。
Ⅰ 土地に関する個別的要因
１．宅地
（１）住宅地
住宅地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
① 地勢、地質、地盤等
② 日照、通風及び乾湿
③ 間口、奥行、地積、形状等
④ 高低、角地その他の接面街路との関係
⑤ 接面街路の幅員、構造等の状態
⑥ 接面街路の系統及び連続性
⑦ 交通施設との距離
⑧ 商業施設との接近の程度
⑨ 公共施設、公益的施設等との接近の程度
⑩ 汚水処理場等の嫌悪施設等との接近の程度
⑪ 隣接不動産等周囲の状態
⑫ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易
⑬ 情報通信基盤の利用の難易
⑭ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態
⑮ 土壌汚染の有無及びその状態
⑯ 公法上及び私法上の規制、制約等
（２）商業地
商業地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
① 地勢、地質、地盤等
② 間口、奥行、地積、形状等
③ 高低、角地その他の接面街路との関係
④ 接面街路の幅員、構造等の状態
⑤ 接面街路の系統及び連続性
⑥ 商業地域の中心への接近性
⑦ 主要交通機関との接近性
⑧ 顧客の流動の状態との適合性
⑨ 隣接不動産等周囲の状態
⑩ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易
⑪ 情報通信基盤の利用の難易
⑫ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態
⑬ 土壌汚染の有無及びその状態
⑭ 公法上及び私法上の規制、制約等
（３）工業地
工業地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
① 地勢、地質、地盤等
② 間口、奥行、地積、形状等
③ 高低、角地その他の接面街路との関係
④ 接面街路の幅員、構造等の状態
⑤ 接面街路の系統及び連続性
⑥ 従業員の通勤等のための主要交通機関との接近性
⑦ 幹線道路、鉄道、港湾、空港等の輸送施設との位置関係
⑧ 電力等の動力資源の状態及び引込の難易
⑨ 用排水等の供給・処理施設の整備の必要性
⑩ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易
⑪ 情報通信基盤の利用の難易
⑫ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態
⑬ 土壌汚染の有無及びその状態
⑭ 公法上及び私法上の規制、制約等
２．農地
農地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
（１）日照、乾湿、雨量等の状態
（２）土壌及び土層の状態
（３）農道の状態
（４）灌漑排水の状態
（５）耕うんの難易
（６）集落との接近の程度
（７）集荷地との接近の程度
（８）災害の危険性の程度
（９）公法上及び私法上の規制、制約等
３．林地
林地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
（１）日照、乾湿、雨量等の状態
（２）標高、地勢等の状態
（３）土壌及び土層の状態
（４）木材の搬出、運搬等の難易
（５）管理の難易
（６）公法上及び私法上の規制、制約等
４．見込地及び移行地
見込地及び移行地については、転換し、又は移行すると見込まれる転換後又は移行後の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきであるが、転換又は移行の程度の低い場合においては、転換前又は移行前の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきである。
Ⅱ 建物に関する個別的要因
建物の各用途に共通する個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
１．建築（新築、増改築等又は移転）の年次
２．面積、高さ、構造、材質等
３．設計、設備等の機能性
４．施工の質と量
５．耐震性、耐火性等建物の性能
６．維持管理の状態
７．有害な物質の使用の有無及びその状態
８．建物とその環境との適合の状態
９．公法上及び私法上の規制、制約等
なお、市場参加者が取引等に際して着目するであろう個別的要因が、建物の用途毎に異なることに留意する必要がある。
Ⅲ 建物及びその敷地に関する個別的要因
前記Ⅰ及びⅡに例示したもののほか、建物及びその敷地に関する個別的要因の主なものを例示すれば、敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置、建物と敷地の規模の対応関係等建物等と敷地との適応の状態、修繕計画・管理計画の良否とその実施の状態がある。
さらに、賃貸用不動産に関する個別的要因には、賃貸経営管理の良否があり、その主なものを例示すれば、次のとおりである。
１．賃借人の状況及び賃貸借契約の内容
２．貸室の稼働状況
３．躯体・設備・内装等の資産区分及び修繕費用等の負担区分
ステップ０
個別的要因：
個別的要因とは、不動産の個別性を生じさせ、価格を個別的に形成する要因。
対象は大きく土地と建物に区分される。
Ⅰ 土地に関する個別的要因
1. 宅地
住宅地の例：
- 地勢、地質、地盤
- 日照、通風、乾湿
- 間口、奥行、地積、形状
- 角地、接面街路との関係、幅員、構造、連続性
- 交通施設、商業施設、公共施設との接近性
- 嫌悪施設の接近性
- 上下水道、ガス等の利用の難易
- 情報通信基盤の利用の難易
- 文化財・埋設物の有無と状態
- 土壌汚染の有無と状態
- 法的規制（公法上・私法上）
商業地・工業地も同様の項目に加え、
- 顧客の流動性
- 搬入搬出の利便性
- 産業関連との関係性
- 労働力確保の難易
- 動力資源や用排水の状態
2. 農地
- 気象（日照、乾湿、雨量）
- 土壌・土層
- 農道・灌漑排水
- 耕うんの難易
- 集落・集荷地との接近性
- 災害リスク、法的規制
3. 林地
- 標高、地勢
- 搬出・運搬の難易
- 管理の難易
- 法的規制
4. 見込地・移行地
転換・移行見込みがある場合は、
転換後の地域の要因を重視。
程度が低い場合は、転換前の地域の要因を重視。
Ⅱ 建物に関する個別的要因
- 建築年（新築、増改築、移転など）
- 面積、高さ、構造、材質
- 機能性（設計・設備）
- 施工の質と量
- 耐震性・耐火性
- 維持管理の状態
- 有害物質の使用の有無
- 建物と環境の適合性
- 法的規制
※ 建物用途によって重視される要因が異なる点に注意。
—Ⅲ 建物及びその敷地に関する個別的要因
- 敷地内配置（建物、駐車場、通路、庭等）
- 規模の対応関係（建物と敷地）
- 修繕計画・管理計画とその実施状況
賃貸不動産に特有の要因：
- 賃借人の状況
- 賃貸借契約の内容
- 貸室の稼働状況
- 資産区分（躯体・設備・内装）
- 修繕費用の負担区分
ステップ1
第３節 個別的要因
個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。
個別的要因は、土地、建物等の区分に応じて次のように分けられる。
Ⅰ 土地に関する個別的要因
1．宅地
（1）住宅地
- 地勢、地質、地盤等
- 日照、通風及び乾湿
- 間口、奥行、地積、形状等
- 高低、角地その他の接面街路との関係
- 幅員、構造等の状態
- 系統及び連続性
- 交通施設との距離
- 商業施設との接近の程度
- 公共施設、公益的施設等との接近の程度
- 嫌悪施設等との接近の程度
- 隣接不動産等周囲の状態
- 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易
- 情報通信基盤の利用の難易
- 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態
- 土壌汚染の有無及びその状態
- 公法上の規制及び私法上の制約
（2）商業地・（3）工業地 → 共通項目に加え：
- 接近性（顧客、主要交通機関）
- 顧客の流動との適合性
- 搬出入の利便性
- 労働力確保の難易
- 輸送施設との位置関係
- 用排水施設の整備・引込状況
2．農地
- 日照、乾湿、雨量等の状態
- 土壌及び土層の状態
- 農道の状態
- 灌漑排水の状態
- 耕うんの難易
- 集落・集荷地との接近性
- 災害の危険性
- 公法上及び私法上の規制
3．林地
- 日照、乾湿、雨量等の状態
- 標高、地勢
- 土壌及び土層の状態
- 搬出・運搬等の難易
- 管理の難易
- 規制・制約
4．見込地及び移行地
転換後・移行後の地域の要因をより重視。程度が低い場合は、転換前・移行前の地域要因を重視。
Ⅱ 建物に関する個別的要因
- 建築年（新築・増改築・移転）
- 面積、高さ、構造、材質
- 設計・設備の機能性
- 施工の質と量
- 耐震性、耐火性
- 維持管理の状態
- 有害物質の使用有無と状態
- 建物と環境との適合性
- 法的制約
Ⅲ 建物及びその敷地に関する個別的要因
- 敷地内の配置（建物・駐車場・通路・庭等）
- 規模の対応関係
- 修繕計画・管理計画とその実施状況
賃貸不動産の特有要因：
- 賃借人の状況及び契約内容
- 貸室の稼働状況
- 資産区分（躯体・設備・内装）および修繕費用等の負担区分
ステップ２
第３節 個別的要因
個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。
個別的要因は、土地、建物等の区分に応じて次のように分けられる。
Ⅰ 土地に関する個別的要因
1．宅地（住宅地）
- 地勢、地質、地盤等
- 日照、通風及び乾湿
- 間口、奥行、地積、形状等
- 高低、角地その他の接面街路との関係
- 接面街路の幅員、構造等の状態
- 接面街路の系統及び連続性
- 交通施設との距離
- 商業施設との接近の程度
- 公共施設、公益的施設等との接近の程度
- 汚水処理場等の嫌悪施設等との接近の程度
- 隣接不動産等周囲の状態
- 供給・処理施設の有無及びその利用の難易
- 情報通信基盤の利用の難易
- 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態
- 土壌汚染の有無及びその状態
- 公法上及び私法上の規制、制約等
2．商業地・工業地
- 商業地域の中心への接近性
- 顧客及び従業員の交通手段の状態
- 商品の搬入及び搬出の利便性
- 街路の回遊性、アーケード等の状態
- 営業の種別及び競争の状態
- 労働力確保の難易
- 幹線道路、鉄道、港湾、空港等の輸送施設との位置関係
- 電力等の動力資源の状態及び引込の難易
- 用排水等の供給・処理施設の整備の必要性
3．農地
- 日照、乾湿、雨量等の状態
- 土壌及び土層の状態
- 農道の状態
- 灌漑排水の状態
- 耕うんの難易
- 集落との接近の程度
- 集荷地又は産地市場との位置関係
4．林地
- 日照、乾湿、雨量等の状態
- 標高、地勢等の状態
- 木材の搬出、運搬等の難易
- 管理の難易
5．見込地及び移行地
転換又は移行後の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきであるが、転換又は移行の程度の低い場合においては、転換前又は移行前の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきである。
Ⅱ 建物に関する個別的要因
- 建築（新築、増改築等又は移転）の年次
- 面積、高さ、構造、材質等
- 設計、設備等の機能性
- 施工の質と量
- 耐震性、耐火性等建物の性能
- 維持管理の状態
- 有害な物質の使用の有無及びその状態
- 建物とその環境との適合の状態
市場参加者が取引等に際して着目するであろう個別的要因が、建物の用途毎に異なることに留意する必要がある。
Ⅲ 建物及びその敷地に関する個別的要因
敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置、建物と敷地の規模の対応関係等、建物等と敷地との適応の状態、修繕計画・管理計画の良否とその実施の状態がある。
さらに、賃貸用不動産に関する個別的要因には、賃貸経営管理の良否があり、主なものを例示すれば、次のとおりである。
- 賃借人の状況及び賃貸借契約の内容
- 貸室の稼働状況
- 躯体・設備・内装等の資産区分及び修繕費用等の負担区分
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